ローソク足とプライスアクションの記事では、値動きを読む基本を扱いました。今回はそのなかでも、もっとも注目されやすい形のひとつ、ピンバーを深掘りします。
ピンバーとは何か
ピンバーは、実体が小さく、上下どちらかに長いヒゲが伸びたローソク足のことです。ヒゲが下に長ければ「下ヒゲピンバー」、上に長ければ「上ヒゲピンバー」と呼ばれます。
下ヒゲピンバーは、一度大きく売られたものの、その水準では買いが優勢になり値を戻したことを示します。上ヒゲピンバーはその逆で、一度大きく買われたものの、その水準で売りに押し戻されたことを示します。
「その水準で攻防があり、片方が勝った」という事実が、実体とヒゲの長さの差にそのまま表れる。これがピンバーが注目される理由です。
ピンバーが機能する条件
私がピンバーを重視するのは、次の条件がそろったときです。
① 水平線・フィボナッチなど、意味のある水準で出ていること 何もない場所で出たピンバーと、多くの参加者が見ている水準で出たピンバーでは、重みがまったく違います。後者は「その水準を本当にみんなが意識していた」ことの裏付けになります。
② ヒゲが実体の2倍以上あること ヒゲが短いと、ただの小さな値動きのノイズと区別がつきません。実体に対してヒゲがどれだけ長いかが、攻防の強さを表します。
③ 出現後の値動きが、ピンバーの方向を裏付けていること ピンバー1本だけで判断せず、その後1〜2本のローソク足が同じ方向に進んでいるかを確認します。ここを待たずに飛びつくと、だましに引っかかりやすくなります。
ピンバーが機能しない条件
逆に、次のような場面では、私はピンバーをあまり信用しません。
指標発表・要人発言の直後 一時的に値が振れただけで、ヒゲの長さに相場の意味がないことがあります。米雇用統計やFOMC発表の直後は、ピンバーそのものより、その後の値動きの持続性を見ます。
流動性が薄い時間帯 アジア時間の早朝など、参加者が少ない時間帯は、少ない注文でも長いヒゲができやすくなります。多くの参加者が見ている時間帯かどうかは、ヒゲの長さと同じくらい重要です。
強いトレンドの途中 下落トレンドの最中に出る上ヒゲピンバーは、反転のサインというより、単なる一時的な戻りであることが多いです。トレンドの方向と逆のピンバーほど、慎重に扱う必要があります。
ゴールドでのピンバーの見方
ゴールドは値動きが大きいぶん、ヒゲも長くなりやすい銘柄です。だからこそ、①の「意味のある水準で出ているか」を私は一番重視します。
具体的には、直近の高値・安値、キリの良い水準($4,000のような節目)、フィボナッチの主要な比率あたりで出たピンバーは検討に値します。何もない場所で出た長いヒゲは、ボラティリティが高いだけの結果であることが多く、そこに意味を見出そうとすると、根拠のないエントリーになります。
ここから先の話
ピンバーは、見た目のわかりやすさに反して、使いこなすには経験が要る形です。
「このピンバーは意味があるのか、ただのノイズなのか」。この判断は、水平線・トレンド方向・出現した時間帯まで含めて、総合的に見て初めてできるようになります。
BENTube Membershipでは、実際のゴールドチャートに出たピンバーを、日曜日の配信やDiscordで一緒に検証しています。
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘・助言ではありません。掲載内容は執筆者の個人的見解です。投資判断はご自身の責任でお願いします。
