BENです。
先日、パレスチナがイスラエルの民間人をランダムに射殺、民間人を含む軍人を捕虜に取るなどの蛮行を繰り返しました。既に数百人以上の死傷者が出ており、まさに戦争状態。
イスラエルの首相・ベンヤミン・ネタニヤフ氏は声明を発表。CNNによると「今日起きたことは、イスラエルではかつてなかったことだ。この暗黒の日に対して、私たちは強力な報復を行うだろう」と述べました。
週末あけの市場にどのような影響があるのかはわかりませんが、一般的に戦争が始まると原油高、コモディティの高騰などが上げられます。
金曜日の米株の急騰はこの情報が先に流れたからなのか、非常に違和感のある動きだった。本来、戦争であればリスクオフになるのですが、土曜日のニュースを見て「なるほど」と感じましたね。
戦争はグローバリストやネオコンにとってはお金儲けの手段のひとつです。ウクライナが用済みとなり米国が支援金を絶つ方向へ動く中、新たな戦争で軍需産業が大きな利益を上げるために、戦争をはじめたのではないかと憶測が飛んでいます。
そこで今回はイスラエルとパレスチナの歴史を少しだけ振り返ってみましょう。知っておいて損はないと思いますよ。
イスラエルとパレスチナ：古代から近代への歴史的背景
古代のこの地域は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教など、多くの宗教の信仰の中心地でした。しかし、19世紀末になると、ヨーロッパでの反ユダヤ主義が高まりました。
この時期、シオニズム運動が興り、ユダヤ人たちはパレスチナへの帰還を望むようになりました。シオニズムの指導者たちは、パレスチナでのユダヤ人の国家樹立を目指しました。
シオニズム運動とは？：
ユダヤ人国家の建設と維持を支持する政治的・文化的運動です。この運動は、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパやロシアなどのユダヤ人コミュニティで盛んになりました。シオニズムは、ユダヤ人が古代に根ざした祖国（エルサレムやその周辺地域）に帰還することを主張しました。
この運動は、ユダヤ人が自らの土地で自己決定権を持ち、安全かつ自由な生活を築くことを目指しました。シオニズムの根底には、ユダヤ人の国家としてのアイデンティティや宗教的信念がありました。特に、19世紀末にヨーロッパで増加した反ユダヤ主義やユダヤ人に対する迫害が、シオニズム運動の勃興を促しました。
シオニズム運動は、シオニスト議会（1897年に設立された世界ユダヤ人機構）や、後にイスラエル建国につながる主要なイニシアチブを取る団体とともに、ユダヤ人国家（イスラエル）の建設を推進しました。この運動は、イスラエル建国後も続き、イスラエルの国家構築に大きな影響を与えました。しかし、シオニズム運動はパレスチナ人との間で紛争を引き起こす要因ともなり、その影響は現代の中東紛争にも色濃く残っています。
第一次世界大戦後、オスマン帝国は崩壊し、パレスチナはイギリス委任統治下に入りました。この時期、ユダヤ人入植者は急増し、アラブ人との対立が激化しました。
1922年には、国際連盟によってパレスチナ委任統治が承認され、ユダヤ人とアラブ人の間での争いはさらに激しさを増しました。
第一次世界大戦と帝国主義の影響
第一次世界大戦後、パレスチナはイギリス委任統治下に置かれたことは前述しました（1920年）。イギリスはパレスチナに対して二重の約束をしました。
アラブ人には独立を約束し、もう一方で、ユダヤ人にはパレスチナへの帰還を約束しました。これにより、アラブ人とユダヤ人の対立が激化し、暴動や抗議が頻発しました。イギリスの二枚舌が二つの民族を分断する理由を作りました。
1947年、国際連合はパレスチナをユダヤ人国家とアラブ人国家に分割する案を提出し、これが採択されました。しかし、アラブ人はこれに反対し、独立を求めて戦闘を繰り広げました。
1948年、イスラエルは独立を宣言し、周辺のアラブ諸国との間で第一次中東戦争（アラブイスラエル戦争）が勃発しました。この戦争により、イスラエルは領土を拡大しましたが、多くのパレスチナ人は難民となりました。
ホロコーストとイスラエルの建国
第二次世界大戦中、ヨーロッパでのユダヤ人虐殺（ホロコースト）が行われ、600万人以上のユダヤ人が犠牲になりました。
戦後、多くのユダヤ人がパレスチナに移住し、国際社会の同意を受け、1948年にイスラエルは国家として独立を宣言しました。しかし、この出来事はアラブ諸国との間で戦争を引き起こし、緊張が高まりました。この戦争で、イスラエルは領土を拡大、パレスチナ人の難民の数は激増。この状況は、イスラエルとパレスチナの長期的な対立の始まりを示すものでした。
ホロコースト
第二次世界大戦中、ナチス・ドイツによって行われたユダヤ人大量虐殺のことを指します。1933年から1945年にかけて、ユダヤ人だけでなく、ロマ（ジプシー）、同性愛者、障害者、政治的反対者、スラヴ系の人々、およびその他のマイノリティグループが迫害され、約600万人が虐殺されました。ユダヤ人の虐殺は特に徹底的で効率的であり、集中収容所や強制収容所での大量虐殺が行われました。
ホロコーストは、人間の極度の悪行を示す象徴となっており、国際的な共感と怒りを引き起こしました。第二次世界大戦後、ホロコーストの記憶と教訓は、国際的な意識を高め、人権と対人間犯罪に対する国際的な取り組みを促進しました。
イスラエルの建国
第二次世界大戦後、ユダヤ人の国家建設の願望は一層強まりました。多くのユダヤ人が、ヨーロッパの反ユダヤ主義からの逃れや、ホロコーストの記憶からくる安全への欲望から、パレスチナへの移住を望んでいました。国際社会の支援を受け、1947年に国際連合はパレスチナをユダヤ人国家とアラブ人国家に分割する提案を可決しました。1948年5月14日、ユダヤ人指導者たちはイスラエルの独立を宣言し、翌日、アラブ諸国はイスラエルに対して侵攻を開始しました。
これにより、第一次中東戦争（アラブイスラエル戦争）が勃発し、イスラエルは独立を宣言してから初めての軍事的試練を経験しました。この戦争はイスラエルの勝利で終結し、イスラエルは国際的に独立国家として認められました。しかし、この戦争により多くのパレスチナ人が難民となり、中東地域の緊張が一段と高まりました。イスラエルの建国は、多くのユダヤ人にとっては希望の光でしたが、同時にパレスチナ問題という複雑な問題を生み出すことにもなりました。
紛争と戦争の時代
イスラエルとパレスチナの歴史は、数度の戦争や紛争で綴られています。1956年のスエズ危機では、イスラエル、イギリス、フランスがエジプトと戦いました。1967年の六日戦争では、イスラエルはエジプト、シリア、ヨルダンを含む周辺の諸国と戦い、領土を拡大しました。1973年のヨム・キプール戦争では、エジプトとシリアが協力してイスラエルに攻撃を仕掛けました。これらの戦争は、イスラエルとパレスチナの関係を一段と複雑にし、緊張を高めました。
和平交渉と現代の課題
1993年、オスロ合意によって、イスラエルとパレスチナの間で初めての直接和平交渉が開始されました。しかし、和平の道は容易ではありませんでした。2000年のキャンプ・デービッド合意では、イスラエルとパレスチナの指導者たちが再び和平交渉を試みましたが、合意には至りませんでした。その後も、数度の和平交渉が試みられましたが、領土、難民、エルサレムの問題など、解決が難しい複数の問題が交渉を困難にしています。
現代の課題としてはガザ地区でのハマスとイスラエルの対立が挙げられます。今回の「開戦」もまさにこの問題が再燃した形。
ハマスはイスラエルを認めず、イスラエルに対して度々ロケット攻撃を行っています。また、イスラエルはパレスチナに対して経済的・軍事的な封鎖を続けており、パレスチナの人々の生活に大きな影響を与えています。加えて、イスラエルはパレスチナの西岸地区や東エルサレムに入植地を建設しており、これが和平プロセスを妨げる要因となっています。
2010年代以降の和平交渉の停滞とガザ紛争
2010年代初頭、イスラエルとパレスチナの和平交渉は停滞していました。
2014年には、ガザ地区でイスラエルとハマスとの間で激しい戦闘が勃発し、約2,200人以上のパレスチナ人と73人のイスラエル人が死亡しました。この戦闘は、地域の緊張を一層高め、和平の見通しを暗転させました。
2015年: テロ攻撃と暴動
2015年、イスラエルでは一連のパレスチナ人によるテロ攻撃が発生し、多くのイスラエル市民が犠牲となりました。同時に、パレスチナの地域では抗議活動と暴動が続発し、両国間の緊張は高まりました。
2017年: アメリカのエルサレム認定
2017年12月、アメリカ合衆国はエルサレムをイスラエルの首都と認定すると発表し、大使館をエルサレムに移転しました。この決定は国際社会で議論を巻き起こし、パレスチナ人やアラブ諸国から激しい非難を受けました。
2018年: ガザの抗議運動と暴力
2018年、ガザ地区での抗議運動が激化し、パレスチナ人の死者が続出しました。この抗議運動は、イスラエルとの国境封鎖や入植地建設に対する抗議として始まり、しばしば暴力的な衝突に発展しました。
2020年: アブラハム合意と新たな和平動向
2020年8月、アラブ首長国連邦（UAE）とイスラエルはアブラハム合意に署名し、国交正常化を宣言しました。これは歴史的な出来事であり、アラブ国家との和平関係を築く新たな動向を示しました。その後、バーレーン、モロッコ、スーダンなど他のアラブ諸国も同様の合意を結び、イスラエルとの関係を改善しました。
2020年10月：米国はイスラエルに大使館を設立、パレスチナは占領地エルサレムへの米国大使館の常設計画に激怒
2021年に: 継続的な緊張と和平の挑戦
2023年10月：ハマスのムハンマド・デイフ氏はイスラエルに5000発のロケット弾を発射したと発表、「アル・アクサの嵐」作戦を開始すると述べた。
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